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歌詞

みんな誰かの守護天使

すべての記憶を落としても

あなたひとりの事だけは憶えている

あるいは散った面影

その、たった一片だけ握りしめて

そこから必ずすべてを思い出す

 

あなたに辿り着く

そして見つける、何度でも

わたしにとってあなたは

そんな人

 

人知れず

咲いて枯れた向日葵

収穫の時期を見誤って

熟れて落ちた果実

あるいはまだ青い頃に

誰かに狩られてしまったプラネット

 

成るかどうかなんて

もうどちらでもいいの

そう言えば、強がりと

またあなたはわらうかもしれない

 

ひとつだけ、打ち明けるのなら

どんな最期のワンシーンを

この胸に収め

どんな想いを魂に刻むことなったとしても

ハッピーエンド

そう、決めているの

 

姿の見えない王子様

姿を消した惑星の王様

ひとのかたちをしていても、いなくても

そこに居た、居ることに変わりはない

わたし達はこのパラドックスをよく知っている

だから分かる、

どんな事があっても私たちなら大丈夫

メッセージを送ったでしょう

 

失ったものなんて何ひとつなかったよ

 

どんなシグナル、サインにも気づける

たとえ会えなくても

 

約束しましょう、その時は

慣れ親しんだ、見えない世界で

 

あの日のことを夢に見た

木星に飛ぶ直前の光景

嘘をついて、あなたをわざと

向こう側の部屋に残した

境を敷くガラス戸をわたしが閉じた時、

あなたは一瞬だけ、

驚き狼狽えた表情を晒した後、

すぐに、わかったと、

真っ直ぐな瞳

目だけで聞かせてくれた

 

わたしの想いを汲み取り、受け取ったことを

 

指の腹だけが重なる

つたわるものは分からなかったけれど、きっと

感じていたものは冷たさではなかったはず

同じ言葉を

そこに湛えられたあなたの魂、

その光でもって、聞かせてくれた

 

隔たりに触れて

あちらとこちらで重ねた指先

その感触をもう思い出せないけれど

決してかなしいだけではなかった

伝った想い

きっと涙と同じくらい、あたたかかった事を

憶えている

 

あなたの目、そこに見たあなたの心、

くれた答えが、

私の背筋を伸ばし、強く押してくれた

 

生きてほしい、という私のエゴ

そして、いつかまた、という

私の願いと同じ声がする

あなたの視線を背中に感じて、

出ていったことを憶えている

 

信じて、願った瞬間に

摘まれてしまう事もあるから、

恐れていたけれど、願わなければ、

はじまらない

 

そして、私の知る神様は

罰の様に見せかけて、結局は

人に恋することを赦し

叶えて仕舞われるような方だ

 

あなたはあの日、

信じたと言った

私もよ

 

今を生きて、必ず

行きたい未来に行きましょう

生きたい世界を生きよう

 

例えば、そこにあなたが居なくても

あなたのそばに、わたしは居なくても

繋がっているから

わたしの出会うあなたが、

わたしと目を合わし、

声を交わすことすらなくても

そのあなたの向こうに居るあなたは、

必ず気づくでしょう

 

もしもその時は、

そこに至るまでも、ずっと、

肌身、プシュケ離さず、もってきた言葉を

目の前の、その姿のあなたに託すよ

きみの幸を願う心と共に