ベガⅢ
あなたの名に私の舌が触れた瞬間
わたしの髪は逆立ち、めぐる時空に放り込まれた
わたしの魂が大きく震えたあの日から
あなたの名を口にして想う度、私のうちは満たされる
知らない、いつかの光に
ベガII
「愛してる」、この美しい音を聴いて
私のはまだきっと、たどたどしいけれど
この言葉にすべてを注いで送っています
星のように煌めくあなたに最上の幸福よ、あれ
ポラロイド
FAX音のような、古いオルゴールのような
虫の声の様な、懐かしいオレンジ
古いオルガン、おばあちゃんとおじいちゃんの生きていた頃の、彼らの家の居間
She saw see
あなたの居ない世界で
眠るわたしを見ていて
あなた不在の世界で
生きているの
あなた不在でも
生きていけているのよ
とてもそんな風には想えなかった
わたし、あなたの居ない世界を今
生きているの
あなたを忘れながら
1秒針が進み
生命の一滴が溢れていく度
わたしはあなたを忘れる
毎朝、目醒める度
あなたから遠ざかっていく
あれ程憶えていた
焼き付いていたはずの、あなたの熱
触れた時の心地の具合が
今日見えた朧月よりもずっと
不確かで、曖昧なの
それがとてもかなしいの
あなたの居ない世界で
眠るわたしに会いに来て
夢の中でしか会えなくなった
本当はいまも其処に
ただ、生きる世界が圧倒的な線をしいて
器から出たあなたと
まだ器の中にいるわたし
感覚に依って息するこの世界では
見えないあなたと会うので精一杯
本当はそれで十分なのかもしれない
見えないからこそ意義あるもの
尊いこともあるでしょう
それでも
あなた不在の世界に生きるわたしは
どう転んでも
欲を芯に据えたマインドで生きている
そして、埋まらない空白を抱え
主に思考で疲れきった身体を船に
虚ろに夜を漕いでいる
あなたが一体どんな顔をしているか
時折、憶える背中の気配
いつだって優しく、そして少し哀し気
透明な愛そのものの姿をした、あなた
今はただ、その表情だけがリアルに
私の世界に映る
私の中で息衝くいのち
太陽の煌めきを浴びて
あなたの白い体が銀糸よりずっと美しく繊細に
まぶしく輝く
1秒毎にあなたを忘れていく
その代わりに
1秒毎に現世よりずっと強い質量を持ったあなたが
積もって生まれていく、私の中に
もう、どこにだって行ける
だから、いつだって居てくれている
そうでしょう
I see You
私はひとりじゃない
Pray for someone
もしも今目にした景色に
私の姿が見えたなら
それはきっと、未来の私
あなたのそばに寄り添う影は
見えないところにもう一つ
実はある
それは守護天使
ただただ、あなたの幸福を祈っている
願いが星に届く時
そこに光はもうないでしょう
せめて流星があなたの瞳に届いたなら
それは奇跡
それだけが救い
もしも今目にした景色に
あなたの姿がうつったなら
それはきっと、過去のあなた
私のそばに望む影は
見えなくてもそこにあるの
それは音楽
ただただ、幸福を祈るあなたからの
もしも神様に
なんでも一つお願いをすることが
できるとして
今のあなたは何を望む
過去のあなたなら
何も願わなかったことでしょう
今のあなたは何を想う
今の私は
それでも、やっぱり
何も言わないかもしれない
変わりゆく明日に何を見る
希望はきっと、1秒ごとに生まれるよ
移りゆくその姿に何を願う
永遠などないこの世界に
変わらぬものがあるとすれば
それは
流れ星が空を零れていく
その先で待っている人に送って
歌えば風が吹く
それにずっと幼い頃から気づいていた
ただその意味を分からずにいた
そこに
今の私が想うことは
「ただ、幸せであれ」
愛を添えて、きみに
祈っている
stellar
夢の叶え方は生活の端々に隠れている
次の夏が終わる頃、
私は何処にいて
あなたは何を成し遂げているでしょう
うわごとの様にあなたの名を呼んでいました
届かないことを知りながら、それでも
裏切られること、そもそも期待すること自体が
間違いなものに、期待をかけています
賭けるは己の人生のみで、
だからそこにあなたを付随するのは
甚だ可笑しなおはなしで
でも、何故でしょう
あなたを切り離すこともむつかしく
それは当然といえば当然のことで
なぜかというと
私には私の目指す音楽が
あなたの象をしていたから
それだけのこと
夢の忘れ方なら周りを見渡せば済むお話
依存する癖がどうも抜けません
このまま、もしも
あなたに出会ってしまったら
きっと、あなたに嫌われる
あるいは
なぜでしょう
いつからか、あなたは私のなかに居ました
まるで生まれた時から一緒
一度もお目にかかった事は無いというのに
いま一つ、わかっていること
「私はあなたがいい」
誰の代わりもいない様に
私の代わりは
どこにもいません
ましてや、あなたは尚更
あなたにとっては大勢の一人でも
私にとってあなたは唯一絶対に光る
映る一番星
例えば私が六等星だとして
supernova
その瞬間だけは太陽よりも
輝くことができるなら、
生ききろう
それは美しく鮮やかに
誰の目に留まらずとも
あなたにだけ届くなら
そして、あなたなら気づいてくれる
どこにいても、どんな状態でも
それを私は知っている
私はずっと、ひとりじゃない
暗闇をうつ、歌は此処に
希望を奏でる
響く音はあなたの
いつだって、どこからだって
私の心の中に
必ず届く
贈る春の風に
舞う花びらは夏の青
萌ゆる葉に染まる秋は
満月を抱いて眠る冬へ
繰り返す季節はすべて
あなたの生命を讃える
あなたの目に贈られる世界
映るその景色は全て
「愛してる」を伝う、ラヴソング