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歌詞

グッバイ

私の底は悲しみで出来ている
私の底は悲しみで成っている
だから私はいつだって悲しくて
いつだってさみしくて泣いていた

聞こえないただいま
響かないおかえり
夢みたいなアイラブユー
譫言のようなアイミスユー
とりあえずラブミープリーズ

どうか
最期の言葉はまだ口にしないで
何を言ってもいいけれど
その一言だけはまだ
あなたには何気ないそのたった一語が
ケルビムの持つ劔煌めく刃
さめない炎ゆらりゆらり
あるいは
覗く唇の隙間、赤い
まるで蛇のそれ

私の心は愛しさに飢えている
私の底はあなたを介して私への
愛しさを欲してる
だから私はずっと悲しくて
もうずっと

名前を呼び続けてきた
たった一人、あなたを示す音
あなただけのそれ
からからに渇いて
いまはただの呼吸音
それでもまだそこに
あなたの音をのせて

どうか
嘘偽りのない
あなたからの本当の言葉を聞かせて
それならどんな音でも構わない
たとえ私を否定し
死や、或いは永遠の生よりも苦しい
意味のものだったとして
私はそれでも
その悲しみを愛する

ミカエルの翳す正義
傾く天秤の告げる審判
どうか私にください
あなたからの祝福を

目を閉じて
最初に浮かぶ者は誰
それは一体どんな匂いがして
どんな色、どんな音
あなたはどんな風に其の人を見つめ
想うの

私は
偽物の飢えに苦しんで
ほかでもない食べものが
私を拒み、私を嘲笑う
代替品
叶えてくれるのはきっと
私から生まれる私への愛

どうか
さよならを口にして
何を隠していても
その一言だけ
あなたに
何気なかったはずのその一語を
私から

ケルビムの持つ刃
ミカエルの吹く報せ
あるいは
赤い林檎の本当の意味を
私はもう気づいている

さよなら
心地よかった日々
さよなら
いつだって
優しくしてくれたあなた

どうか元気で

いつかまた会えたなら
きっと出来なかったハグを
今度こそ真心を込めて
贈ることができたなら
いいな、と思うの

目を閉じて
還る年月
降り立つ
あの真昼の部屋で
告げるお別れ
感謝と幸せの祈りを
私からあなたに